ClineとCursorの違いは、大きく「動作環境」と「料金モデル」の2点に集約されます。Clineは普段のVS Codeに入れて使う拡張機能で、料金は従量課金や自分のAPIキーが中心です。対してCursorはVS Codeをベースにした独立エディタで、料金は月額サブスクが中心になります。つまり、既存のVS Code環境を崩さず使いたいならCline、エディタごとAIに最適化された環境に乗り換えたいならCursor、というのが選び方の基本です。この記事では、両者の料金・動作環境・機能の違いを比較表で整理し、2026年11月に予定されるCursorのOpenAIモデル終了が選び方にどう影響するか、そしてweb制作・LP制作で編集部がどう使い分けているかまでまとめます。

この記事の要点

  • Cline=VS Codeの拡張機能(普段のエディタにAIエージェントを足す)、Cursor=独立したAIエディタ(VS Codeベースの別アプリに乗り換える)が根本の違いです。
  • 料金はClineが従量課金・月9.99ドルのClinePass・自分のAPIキー(BYOK)、Cursorが無料のHobbyと月20ドルのPro中心のサブスクで、費用の読み方が逆になります。
  • 2026年11月12日にCursorでOpenAIモデルの提供が終了予定です。ただしCursorはAnthropic・Google・xAIのモデルにも対応し、CursorのCEOはOpenAIモデルが全トラフィックの約5%だと説明しており、影響を受けるのはOpenAIモデル利用者に限られます。
  • 編集部では、既存プロジェクトの微修正はCline、新規LPをまとめて組む作業はCursor、と工程で使い分けています。判断基準を比較表と実務例つきでまとめます。

01ClineとCursorの違いを一言でいうと

結論からお伝えします。両者の違いは、大きく「動作環境」と「料金モデル」の2点に集約されます。Clineは今使っているVS Codeにそのまま追加する拡張機能で、料金は使った分だけ払う従量課金や自分のAPIキーが中心です。Cursorはエディタごとインストールする独立アプリで、料金は定額のサブスクが中心になります。この2点を押さえれば、どちらが自分の使い方に合うかはほぼ判断できます。

比較の全体像

細かい機能に入る前に、まず全体像を1枚で押さえます。

観点 Cline Cursor
正体 VS Codeの拡張機能 独立したAIコードエディタ
導入方法 既存のVS Codeに追加 エディタごと乗り換え
料金の中心 従量課金・BYOK・月9.99ドル サブスク(無料/月20ドル〜)
モデルの選び方 任意のプロバイダを接続 提供モデルから選択
図1:ClineとCursorの全体像。既存環境に足すCline、環境を乗り換えるCursor。

02Clineとは|VS Codeに入れるAIコーディングエージェント

Clineは、エディタとターミナルの中で動くAIコーディングエージェントです。VS Codeのマーケットプレイスから拡張機能として導入し、普段の開発環境を保ったままAIにコードの作成・編集やコマンド実行を任せられます。エディタを乗り換える必要がないため、既存プロジェクトにそのまま組み込めるのが特徴です。

Clineの料金体系|従量・定額・BYOKの3つ

3つの料金の入り口

Clineの料金には3つの入り口があります。1つ目は、サインインするだけで使え無料モデルの選択肢もある従量課金、2つ目は月額9.99ドルの定額プラン「ClinePass」、3つ目が自分のプロバイダ資格情報を使うBYOK(Bring Your Own Key)です。BYOKでは、クラウドのAIプロバイダやローカルで動かすモデルの認証情報を自分で用意し、その利用料を直接支払います。拡張機能そのものの導入に大きな初期費用はかかりません。

費用の考え方は「使った分だけ」に寄ります。軽い修正だけなら安く済む一方、大量のファイルをまとめて扱うようなエージェント作業ではトークンの消費が伸び、月額が読みにくくなる面があります。予算を固定したい場合は、ClinePassのような定額を選ぶとよいでしょう。

03Cursorとは|VS Codeベースの独立AIエディタ

Cursorは、VS Codeの操作感をベースにAI機能を統合した独立型のコードエディタです。拡張機能ではなくエディタそのものなので、導入するとVS Codeとは別のアプリとして立ち上がります。コード補完やエージェント機能(Composer)がエディタに組み込まれており、AI前提の開発体験に最適化されています。

Cursorの料金プランの構成

Cursorの料金はサブスクが中心です。編集部が公式の料金ページで確認したところ、クレジットカード不要で使える無料のHobby、個人向けのPro(月20ドル)、チーム向けのTeams(1人あたり月40ドル)、そして大規模向けのEnterprise(個別見積もり)という構成でした。無料のHobbyでもエージェントのリクエストは制限つきで使え、Composerにもアクセスできます。定額のため、月あたりの費用が読みやすいのが強みです。なお料金は改定されることがあるため、契約前に公式ページで最新の金額を確認してください。

04料金の違いを比較【従量課金とサブスク】

料金は両者でもっとも性格が分かれる部分です。Clineは「使った分だけ」、Cursorは「定額」が基本で、どちらが得かは使い方の重さで変わります。

項目 Cline Cursor
課金の型 従量課金/定額(ClinePass)/BYOK サブスク(定額)
無料の範囲 無料モデルの選択肢あり Hobby(制限つきで無料)
定額の目安 ClinePass 月9.99ドル Pro 月20ドル/Teams 月40ドル
費用の読みやすさ 使い方次第で変動 定額で予算管理しやすい
図2:料金の比較。軽い使い方はCline従量、重く回すなら定額のほうが読みやすい。

どちらが安くつくかの目安

ここは仕様からの想定として書きます。ライトに使う場合、無料モデルや従量課金のClineは実費を小さく抑えやすいと想定されます。一方、エージェントに大きなタスクをまとめて任せて何度も試行する使い方では、従量課金は消費が読みにくく、定額のCursorやClinePassのほうが月末の費用が安定すると想定されます。つまり「軽く触るならCline従量、毎日重く回すなら定額」という当たりの付け方になります。実費は使い方で大きく変わるため、まずは無料枠で自分の作業量を測るのが失敗しない進め方です。

05動作環境・機能の違いを比較

動作環境の違いは、そのまま「既存環境を保つか、乗り換えるか」の選択になります。拡張機能のClineは、普段のVS Codeの設定・他の拡張機能・キーバインドをそのまま使えます。独立エディタのCursorは、AI機能がエディタ全体に統合されているぶん、補完やエージェントの体験が一体化しています。

項目 Cline Cursor
動作形態 VS Codeの拡張機能 独立したエディタ
既存VS Code資産 そのまま利用できる 別アプリへ移行が必要
モデルの自由度 任意のプロバイダ・ローカルも可 提供モデルから選択
AI体験の一体感 拡張として追加 エディタに統合
図3:動作環境と機能の比較。自由度のCline、一体感のCursor。

06CursorのOpenAIモデル終了は選び方にどう影響するか

選び方に関わる最近の動きとして、CursorでのOpenAIモデルの扱いが変わります。OpenAIは2026年8月28日、Cursorを買収したSpaceXに対してモデル提供契約を終了する意向を通知し、提供の打ち切り予定日を2026年11月12日としました。ただしCursorはもともとAnthropic・Google・xAIのモデルにも対応しており、CursorのCEOはOpenAIのモデルが全トラフィックの約5%にとどまると説明しています。OpenAIの発表後には、AnthropicがCursorでClaudeを支えるための計算資源を増やす意向を示したと報じられました。この件の詳細はCursorでOpenAIモデルが終了する件でまとめています。

OpenAIのモデルに依存していた人はどうすべき?

影響を受けるのは、CursorでOpenAIのモデルを主に使っていた人だけです。多くの利用者はClaudeやGeminiなど他社モデルを使っており、その場合の影響はありません。もしOpenAIモデル前提で運用していたなら、11月12日までに他社モデルへ切り替えるか、モデルを自分で自由に差し替えられるClineのBYOKに逃がす、という選択肢が現実的です。モデルの自由度を重視するなら、この一件はClineの利点が際立つ場面といえます。

07どちらを選ぶべきか|向いている人

ここまでの違いを、向き不向きの形で整理します。どちらが優れているかではなく、使い方との相性で選ぶのが正解です。

Clineが向いている人

既存のVS Code環境を崩したくない人、複数のAIプロバイダやローカルモデルを自分で使い分けたい人、軽い修正が中心で従量課金の実費を小さく抑えたい人と相性が良いのがClineです。モデルの選択を握っていたいエンジニアや、乗り換えのコストをかけたくない人に合います。

Cursorが向いている人

AI前提の一体化したエディタ体験を求める人、費用を定額で固定して予算管理したい人、補完からエージェントまで統合された使い心地を重視する人に向いています。毎日重くAIを回すなら、定額のほうが月末の費用が安定します。

08web制作・LP制作での使い分け【実践】

編集部では、web制作・LP制作の現場で両者を工程ごとに使い分けています。ポイントは「既存資産を触るか、ゼロから組むか」です。

既存プロジェクトの微修正はClineに寄せる

既存資産をそのまま使える

すでにVS Codeで管理しているクライアント案件のサイトを直すときは、Clineを使います。理由は3つです。第一に、既存のワークスペース設定やGit連携、他の拡張機能をそのまま使えること。第二に、修正が数ファイルの軽い作業なら従量課金の実費が小さく収まること。第三に、案件ごとに使うモデルを差し替えられることです。具体的な流れは、VS Codeで対象リポジトリを開き、Clineのパネルで「このコンポーネントのレスポンシブ崩れを直して」と日本語で指示し、提案された差分を確認してから適用する、という進め方になります。

新規LPをまとめて組む作業はCursorに寄せる

まとめて任せると手が速い

新しいLPをゼロから一気に組むときは、Cursorを使います。エージェントに「このワイヤーフレームどおりにセクションを順に作って」とまとめて任せる作業では、補完とエージェントが一体化したCursorのほうが手が速く、定額なので試行回数を気にせず回せるからです。LPを毎回同じ品質で仕上げる型づくりはLPを毎回同じ品質で出す型にもまとめています。制作に使うツール選びの全体像はweb制作のMCPサーバーもあわせて参考にしてください。

FAQよくある質問

ClineとCursorは併用できますか?

できます。ClineはVS Codeの拡張機能、Cursorは独立エディタなので、案件や工程によって使い分ける運用が可能です。既存プロジェクトの修正はCline、新規のまとめ作業はCursor、といった併用が現実的です。

ClineとCursorはどちらが安いですか?

使い方次第です。軽い修正が中心なら無料モデルや従量課金のClineが安く抑えやすく、毎日重くAIを回すなら定額のCursor(Pro月20ドル)やClinePass(月9.99ドル)のほうが費用が安定します。まずは両方の無料枠で自分の作業量を測るのが確実です。

Clineは無料で使えますか?

拡張機能の導入自体に大きな初期費用はなく、無料モデルの選択肢もあります。ただし高性能なモデルを従量課金やBYOKで使うと、その利用料は別途かかります。定額で予算を固定したい場合は、月9.99ドルのClinePassを選べます。

CursorでOpenAIのモデルはもう使えないのですか?

2026年11月12日に提供終了が予定されています。ただしCursorはAnthropic・Google・xAIのモデルに対応しており、それらを使っている場合は影響を受けません。OpenAIモデルを主に使っていた場合のみ、他社モデルへの切り替えが必要になります。

VS Codeを使い慣れているならどちらがいいですか?

環境を変えたくないならCline、AI前提の使い心地に乗り換えたいならCursorです。Cursorの操作感はVS Codeに近いため移行のハードルは高くありませんが、既存の拡張機能や設定をそのまま使いたいなら拡張機能のClineが無難です。

09まとめ:選び方の基準

ClineとCursorのどちらを選ぶかは、「既存のVS Code環境を保ちたいか」と「費用を定額で固定したいか」の2つで決まります。環境を崩さずモデルも自分で握りたいならCline、AI前提の一体化した環境と定額の安心感を取るならCursorです。判断に迷うなら、まずは両方の無料枠で同じ作業を試し、費用と手の速さがどちらに合うかを実際に確かめるのが失敗しない進め方です。関連して、Cursorのモデル提供の変更はOpenAIモデル終了の件、LP制作の型づくりはLPを毎回同じ品質で出す型にまとめています。

10出典