Claude Codeを毎日使っていて、/loopで回した自動タスクがいつの間にかトークンを食い過ぎていないか、あるいはAPIキーを配れない組織でどうサインインさせるかに悩んでいた方は多いはずです。結論から言えば、2026年8月25日(日本時間)に公開されたClaude Code 2.1.243で、/usageにループごとの使用量内訳が追加され、modelPickerで/modelの一覧を自前で並べ替えられ、Anthropic Consoleアカウントでの「キーレスサインイン」も入りました。この記事では、Claude Code 2.1.243で何が変わったのか、前バージョンからの変更点を表で、そして/usageのループ内訳・modelPicker・キーレスサインインの設定方法と、筆者が自動記事生成の運用でどう使うかまで、設定例つきでまとめます。
この記事の要点
- Claude Code 2.1.243(2026-08-24 UTC公開/日本時間8月25日)は、
/usageへのループ内訳の追加、modelPicker設定、Anthropic Consoleでのキーレスサインインが目玉です。 - あわせて
promptCacheTtl(メイン会話は1時間・サブエージェントは5分のプロンプトキャッシュ)や、契約単価を/costに反映するmodelPricingも入りました。 - 直前の2.1.240〜2.1.241は「Bug fixes and reliability improvements」中心で、機能追加がまとまって入るのは2026-08-20のv2.1.238以来です。
01Claude Code 2.1.243とは|今回のアップデートの中身
Claude Code 2.1.243は、AnthropicのコマンドラインAI「Claude Code」の2026年8月時点の最新バージョンで、使用量の可視化・モデル選択・サインインまわりに手が入った更新です。目立つ新機能は3つで、/usageのループ内訳、modelPicker設定、Anthropic Consoleアカウントでのキーレスサインインです。加えてプロンプトキャッシュの保持時間を制御する設定や、組織の契約単価をコスト表示に使う設定など、運用寄りの項目がまとめて追加されました。実務での使いどころが多いのは、この使用量まわりと設定まわりの更新です。
いつ公開されたバージョンか
Claude Code 2.1.243は、GitHubのリリース情報で2026年8月24日23:40(UTC)に公開されています。日本時間では8月25日の早朝にあたります。直前のv2.1.240(8月22日)とv2.1.241(8月23日)はどちらも「Bug fixes and reliability improvements」が中心で、機能追加がまとまって入るのは、headersHelperなどが加わった2026-08-20公開のv2.1.238以来になります。
今回追加された主な機能
2.1.243で入った機能のうち、実務で使いどころが多いものを整理すると次のとおりです。使用量まわりと設定まわりに集中しているのが今回の特徴です。
/usageのループ内訳:/loopの実行ごとに、実行回数・合計トークン・1回あたりトークン・最終実行を表示します。modelPicker設定:/modelの選択肢を、任意のid表記(Vertex/Bedrockのidを含む)でラベル付き・順序付きに並べ替えたり、組み込みの一覧に追加・置換できます。- キーレスサインイン:
/loginのAnthropic Consoleから「Sign in with your Console account」で、APIキーを作らずにサインインできます。 promptCacheTtl/subagentPromptCacheTtl:APIキー・クラウドプロバイダー利用時に、メイン会話は1時間、サブエージェントは5分のプロンプトキャッシュを保てます。modelPricing設定:組織の契約単価と割引倍率を、/costやステータスライン、テレメトリのコスト表示に反映します。
このほか、/statusに「Skipped sources」行やGitHub接続状況の表示が加わり、/tasksにはサブエージェントが動いたモデルと努力レベル(effort)が出るようになりました。
02前バージョンからの変更点【比較表】
いちばんの変化は、使用量の把握が「セッション全体のざっくり表示」から「ループ単位の内訳」まで踏み込めるようになった点と、APIキーなしでサインインできる経路が増えた点です。従来との違いを、運用で気になる観点で並べると次のようになります。
| 項目 | これまで(〜2.1.241) | 2.1.243 | 実務での意味 |
|---|---|---|---|
| /loopの使用量 | セッション合計に混ざり、ループ単位では追えない | /usageにループ内訳(回数・合計・1回あたり・最終実行) | 暴走した自動タスクを名指しで特定できる |
| /modelの並び | 組み込みの固定ラインアップ | modelPickerで並べ替え・追加・置換(Vertex/Bedrock id可) | よく使うモデルを上に固定し選び間違いを減らせる |
| サインイン | APIキー作成が基本 | Console アカウントでのキーレスサインインを追加 | APIキーを配れない組織でも利用開始できる |
| プロンプトキャッシュ | 保持時間を個別に指定しにくい | promptCacheTtl/subagentPromptCacheTtlで制御 | 長い会話のキャッシュを1時間保ちコストを抑えやすい |
| コスト表示 | 定価ベース | modelPricingで契約単価・割引を反映 | /costの数字が実際の請求感覚に近づく |
アウトプットにはどんな差が出ると想定されるか?
これらは生成されるコードの品質を直接変える更新ではなく、運用のコストと安全性に関わる更新です。たとえば/usageのループ内訳という仕様差からは、これまで「合計トークンが増えた」までしか分からなかった自動タスクの調査が、どのループが何回・何トークン使ったかまで切り分けられる作業に変わると想定されます。modelPricingで契約単価を反映できる差からは、/costの数字を定価から実額に近づけられ、コスト判断の精度が上がると考えられます。いずれも筆者の実測値ではなく、公式の仕様差からの想定です。
03/usageのループ内訳の使い方
ループ内訳の使い方はシンプルで、セッション中に/usageを実行すると、従来の使用量に加えてループごとの内訳が並びます。今回のバージョンで最も使用量管理に直結する機能です。
ループ内訳で分かる4つの項目
見えるのは、/loopで回した各タスクの「実行回数」「合計トークン」「1回あたりトークン」「最終実行」です。おしゃべりになりすぎたループや、止め忘れて回り続けているループが一目で分かるように設計されています。/loopは止める条件を書かないとトークンを消費し続けるため、この内訳は暴走の早期発見に向いています。
どのループから見直すべきか
優先して見直すのは、「1回あたりトークン」が大きいループと、「実行回数」が想定より伸びているループです。前者は毎回の指示が重い、後者は停止条件が甘い可能性が高く、内訳の数字がそのまま次の打ち手を指し示します。
内訳を見たあとにやること
特定のループだけ合計が膨らんでいたら、次の一手は2つです。1つは/loopに明確な停止条件(回数上限や達成条件)を書き足すこと、もう1つは、毎回AIに考えさせている決定的な処理をスクリプトへ逃がして、ループの1回あたりトークンを下げることです。使用量上限に達したときの再開そのものについては、Claude Codeの使用量上限で自動再開する設定で別途整理しています。
04modelPickerとキーレスサインインの設定方法
modelPickerとキーレスサインインは、どちらもsettings.jsonやサインイン画面から数ステップで設定できます。設定ファイルで有効化するタイプの機能です。
modelPickerで/modelの一覧を整える手順
modelPickerは、/modelで出るモデル一覧を自分好みに並べ替える設定です。idの表記は任意で、Vertex AIやAmazon Bedrock経由のidも指定できます。組み込みの一覧に追加する使い方と、丸ごと置き換える使い方の両方に対応します。設定はsettings.jsonに次のように書きます。
“modelPicker”: [
{ “id”: “claude-opus-4-8”, “label”: “Opus 4.8(本番)” },
{ “id”: “claude-sonnet-5”, “label”: “Sonnet 5(日常)” }
]
}
よく使うモデルを上に固定しておくと、/modelを開いたときの選び間違いが減ります。ラベルは日本語でも構いません。
キーレスサインインはどう使うのか?
キーレスサインインは、APIキーを作らずにAnthropic Consoleのアカウントでログインする方法です。/loginを実行し、Anthropic Consoleの項目にある「Sign in with your Console account」(推奨)を選ぶと、APIキーの発行なしにサインインできます。APIキーの配布を許可していない組織でも、Claude Codeを使い始められるようにするための経路です。従来どおりAPIキーを作る選択肢も並んで残っています。
promptCacheTtl・modelPricing・GitHub接続の補足
promptCacheTtlとsubagentPromptCacheTtlは、APIキーやクラウドプロバイダー利用時のプロンプトキャッシュ保持時間を分けて指定する設定で、メイン会話は1時間・サブエージェントは5分といった持たせ方ができます。modelPricingは組織の契約単価と割引倍率を/costやステータスラインに反映する管理設定です。またWeb版のClaude Code(Pro/Max)では、/statusにGitHubが接続済みかどうかが表示され、未接続なら/web-setupへの案内が出ます。今回追加された主な設定項目を整理すると次のとおりです。
| 設定・機能 | 役割 | 主な対象 |
|---|---|---|
| modelPicker | /modelの一覧を並べ替え・追加・置換 | 全ユーザー(Vertex/Bedrock id可) |
| promptCacheTtl | メイン会話のプロンプトキャッシュ保持時間 | APIキー・クラウドプロバイダー利用 |
| subagentPromptCacheTtl | サブエージェントのキャッシュ保持時間 | APIキー・クラウドプロバイダー利用 |
| modelPricing | 契約単価・割引を/costやステータスラインに反映 | 組織の管理設定 |
| キーレスサインイン | ConsoleアカウントでAPIキーなしにログイン | APIキーを配れない組織 |
05自社ツール開発・サイト制作でどう使うか【実践】
筆者は実際にClaude Codeで自動化とサイト制作を回しており、2.1.243の機能はその両方に当てどころがあります。題材は、記事や社内データを定期処理する自動化と、LP・サイトのコーディング作業です。
自動記事生成の暴走監視にループ内訳を使う
この記事では、記事HTMLの生成や機械採点を/loopで回す運用を組んでいます。これまではセッション全体のトークンしか見えず、どのループが重いのか切り分けに手間がかかりました。2.1.243からは、無人実行を止めたあとに/usageを開き、ループ内訳の「1回あたりトークン」が想定より大きいループを名指しで特定できます。/loopはプロンプト自体に停止条件を書いておくのが基本で、次のように達成条件を明示しておくと、内訳と合わせて暴走を抑えやすくなります。
/loop “変更されたHTMLだけ機械採点し、19項目の×が0になったら停止する”
回し終えたら/usageのループ内訳で、このreview-fix系ループの合計と1回あたりを確認し、突出していれば決定的な採点処理をスクリプト側へ寄せます。
サイト制作ではmodelPickerでモデルを工程別に固定する
LPやサイトのコーディングでは、雛形出しや軽い修正はSonnet系、レビューや複雑な実装はOpus系、と工程でモデルを使い分けます。modelPickerで一覧を「工程名つきラベル」で並べておくと、/modelを開いた瞬間にどれがどの用途か分かり、切り替えの往復が減ります。Vertex/Bedrock経由で契約している場合も、そのidをそのまま並べられます。あわせてmodelPricingに契約単価を入れておけば、/costの金額が定価ではなく実際の契約感覚に近づき、案件ごとのコスト把握がしやすくなります。
APIキー不可の現場ではキーレスサインインで導入を通す
受託先や社内で「APIキーの発行・配布は不可」という制約に当たることがあります。その場合は、メンバーに/loginからConsoleアカウントでのキーレスサインインを案内すると、キーの受け渡しなしで各自が使い始められます。キーの棚卸しや失効の手間が減るぶん、チーム導入の初速が上がります。取得後の安全性はClaude Securityと合わせて設計しておくと安心です。
06アップデート時の注意点
更新自体はclaude update(またはお使いのインストール方法の更新手順)で行えますが、いくつか前提を押さえておくと安全です。まずmodelPricingやmodelPickerは設定ファイルに書く項目で、組織で配布する場合は管理設定(managed settings)側の優先順位に注意します。/statusの「Skipped sources」行は、より優先度の高い管理設定があるために適用されなかった設定源を教えてくれるので、思ったとおりに反映されないときはここを確認します。
キャッシュ設定は利用形態で挙動が変わる
promptCacheTtl系は、APIキーやクラウドプロバイダー利用時を対象にした設定です。サブスクリプションのみの利用と、APIキー・Bedrock/Vertex利用とで前提が異なるため、自分の契約形態でどう作用するかを公式ドキュメントで確認してから入れるのが安全です。/loopを無人で長時間回す運用は、停止条件とループ内訳の監視をセットにして、上限に達したときの挙動まで決めておきます。セッションをまたぐ通知やメッセージの扱いはClaude Codeのセッション間メッセージングも参考にしてください。
FAQよくある質問
Claude Code 2.1.243はいつ公開されましたか?
GitHubのリリース情報では2026年8月24日23:40(UTC)に公開されており、日本時間では8月25日の早朝です。直前の2.1.240・2.1.241はバグ修正中心で、機能追加は今回のバージョンでまとまって入りました。
ループ内訳はどうやって表示しますか?
セッション中に/usageを実行すると、従来の使用量に加えてループごとの内訳(実行回数・合計トークン・1回あたりトークン・最終実行)が表示されます。/loopで回したタスクの重さを個別に確認できます。
キーレスサインインはAPIキーの代わりになりますか?
Anthropic Consoleのアカウントでサインインする方法で、APIキーを作らずに利用を開始できます。APIキーの発行を許可していない組織向けの経路で、従来どおりAPIキーを作る選択肢も残っています。用途に応じて選べます。
modelPickerでVertexやBedrockのモデルも並べられますか?
並べられます。modelPickerは任意のid表記に対応しており、Vertex AIやAmazon Bedrock経由のidもラベル付きで一覧に追加・置換できます。よく使うモデルを上位に固定しておくと選び間違いを減らせます。
2.1.243に更新すると料金は変わりますか?
バージョン更新自体に追加料金はありません。modelPricingは組織の契約単価を表示へ反映する設定で、実際の請求はご契約中のプランに従います。表示される/costの数字を実額に近づけるための項目です。
08まとめ:2.1.243を入れるかの判断基準
Claude Code 2.1.243に上げるかは、「/loopで自動タスクを回しているか」「APIキーを配れない環境で使いたいか」で決まります。個人で対話的に使うだけなら急ぐ必要はありませんが、無人の自動化を回している場合は、/usageのループ内訳だけでもコスト管理が一段やりやすくなります。まずは更新後に/usageを開いてループ内訳を確認し、突出したループに停止条件を足すところから始めるのが、失敗しない進め方です。プラグインや前バージョンの機能とあわせて使うならClaude Codeプラグインの使い方、直近の更新の流れはv2.1.238のheadersHelperも合わせて確認してください。
09出典
- Anthropic「Claude Code changelog」v2.1.243 ほかhttps://code.claude.com/docs/en/changelog
- Anthropic「claude-code Releases」v2.1.243(2026-08-24 UTC)https://github.com/anthropics/claude-code/releases
- Anthropic「Claude Code settings」https://code.claude.com/docs/en/settings
バージョンごとの新機能では、モデル切り替えを自動制御する新フック(2.1.251で追加)もあわせて確認しておくと、コスト管理まで含めた運用が固まります。