「AntigravityとCursorの比較で、結局どっちを使えばいいのか」「無料のAntigravityで足りるのか、有料のCursorに課金すべきか」——AI開発環境を選ぶとき、この2つで迷う人は少なくありません。Antigravity Cursorの比較の結論を先に言うと、タスクを丸ごとAIに任せたいならエージェント主体のGoogle Antigravity、コードを自分で握りながらAIに補完させたいならCursorが向いています。無料で試せるのはAntigravity、上限に当たっても従量課金で作業を続けられるのがCursorです。本記事では、両者の設計思想・料金・上限に当たった後の挙動・対応環境・開発フェーズ別の使い分けを、筆者が公式情報をもとに比較します。サイト制作や自社ツール開発でどちらを選ぶかの実践的な判断軸まで整理します。
AntigravityとCursorの違いは?比較の結論を先に
両者の最大の違いは「AIにどこまで任せるか」です。Antigravityはエージェントがタスクを分解して自律的に実装し、人はレビューして承認する役回りに回ります。一方のCursorは、開発者がコードを書く流れを保ちながら、AIが補完や部分的な修正で支援します。まずは全体像を表で押さえます。
| 比較項目 | Google Antigravity | Cursor |
|---|---|---|
| 提供元 | Anysphere | |
| 基本の発想 | エージェント主体(自律実行) | 補完主体(開発者が制御) |
| 料金の入口 | 基本無料で開始 | 無料のHobby+有料プラン |
| 上限超過時 | 回復待ち(日本は追加購入不可) | 従量課金で継続できる |
| 並列エージェント | 標準で複数を並行実行 | Cursor 3のAgents Windowで対応 |
| 向いている人 | タスクを丸ごと任せたい人 | 細部を自分で握りたい人 |
出典:Google Antigravity 公式および Cursor(Anysphere)公式の料金・機能ページを筆者が整理(2026年8月時点)。料金や機能は改定される場合があります。
設計思想の違い|エージェント主体と補完主体
選定で最初の分かれ目になるのが設計思想の違いです。ここを取り違えると「思ったのと違う」となりやすいため、それぞれの前提を分けて見ていきます。
Antigravityはエージェントに作業を委ねる
Antigravityは、AIエージェントが計画を立て、コード編集・ターミナル操作・ブラウザでの動作確認までを自分で進める設計です。人は「何を作るか」を指示し、出てきた成果物をレビューして承認します。フォルダ全体を横断してまとめて作業させたいときに向きます。基本操作や導入の流れはAntigravityの使い方の記事で解説しています。
Cursorはエディタ補完で開発者を支援する
Cursorは、VS Codeに近い使い勝手のエディタに、強力なAI補完とチャットを組み込んだ構造です。開発者がコードを書き進める流れの中で、続きの予測補完や、選択範囲の書き換えを日本語の指示で行えます。1行1行の実装を自分でコントロールしながら速度を上げたい人に向きます。たとえばCursorで関数を整理するなら、対象のコードを選択して指示キーを押し、「この関数を分割して」と日本語で書くと、差分がインラインで表示され、確定すればその場で反映されます。編集をエディタ内で完結させたまま、手を動かす速度だけを底上げできるのが持ち味です。
Cursor 3の並列エージェント(Agents Window)追加
以前は「複数エージェントの並行実行」がAntigravityの明確な強みでした。ですが2026年4月にリリースされたCursor 3で「Agents Window」という並列エージェント管理の画面が加わり、Cursorでも複数のエージェントを同時に走らせられるようになりました。片方がコードを書き、別のエージェントがテストを生成する、といった使い方はどちらでも可能になっています。並列実行だけを理由にAntigravityを選ぶ根拠は、以前より小さくなったといえます。
料金プランの比較|無料枠と有料の上限の違い
費用の考え方は両者で大きく異なります。Antigravityは基本無料で始められる代わりにクオータ(利用枠)で管理され、Cursorは無料枠に加えて段階的な有料プランを用意しています。プラン別の料金を整理します。
Antigravityの料金と制限
Antigravityは個人のGoogleアカウントで基本無料で使えます。ただし利用はクオータ制で、モデルごとに消費が変わり、高性能モデルを多用すると回復待ちに入ります(リセットの目安は数時間から最大で週次)。有料のGoogle AI Pro・Ultraでは枠が広がりますが、定額で使い放題になるわけではありません。プラン別の上限やリセット周期はAntigravityの制限の解説記事で詳しくまとめています。
Cursorの料金プラン
Cursorは無料のHobby(0ドル)に加え、個人向けにPro(月20ドル)・Pro+(月60ドル)・Ultra(月200ドル)を用意しています。年払いでは20%割引が適用されます。各有料プランにはエージェント利用の枠が含まれ、枠を超えた分はオンデマンドの従量課金(後払い)で続けられます。チーム向けにはTeams StandardとPremiumもあります。
| ツール/プラン | 月額(個人) | 上限超過時の扱い |
|---|---|---|
| Antigravity(Free) | 0円 | 回復待ち(日本は追加購入不可) |
| Antigravity(AI Pro / Ultra) | Google AIプランに準拠 | 枠拡大・ただし回復待ち中心 |
| Cursor Hobby | 0ドル | 無料枠の範囲まで |
| Cursor Pro | 20ドル | 従量課金で継続可能 |
| Cursor Pro+ / Ultra | 60ドル / 200ドル | 枠が大きく従量で継続可能 |
出典:Cursor(Anysphere)公式の料金ページおよび Google AI プランの案内を筆者が整理(2026年8月時点)。金額は税別・改定される場合があります。
上限に当たった後の違い|回復待ちと従量課金
日本のユーザーにとって、実はここが選定の分かれ目になります。Antigravityは上限に達すると回復を待つのが基本で、日本では追加クレジットを購入して枠を増やすことができません。対してCursorは、含まれる枠を使い切っても従量課金で作業を続けられます。「締め切り前に上限で止まると困る」場面が多いなら、従量で伸ばせるCursorのほうが読みやすい、という判断になります。
逆に、費用を一切かけずに試したい段階では、無料で始められるAntigravityが有利です。回復待ちの時間を段取りに織り込めるなら、無料の範囲でも自律エージェントの実装力を引き出せます。上限そのものの仕組みは、Antigravity側を制限の解説記事で、無料枠の範囲を無料枠の解説記事で確認できます。
対応環境と搭載モデルの違い
動作環境と使えるモデルにも差があります。どちらもWindows・macOS・Linuxで動くデスクトップアプリですが、搭載モデルの考え方が異なります。
| 項目 | Antigravity | Cursor |
|---|---|---|
| 対応OS | Windows・macOS・Linux | Windows・macOS・Linux |
| ベース | Google製の専用アプリ | VS Code系のエディタ |
| 搭載モデル | Gemini 3系を中心に複数 | Composer系や外部の主要モデルを選択 |
| 画面構成 | Manager/Editorの2面 | エディタ中心+チャット/エージェント |
| 拡張機能 | ブラウザ連携などGoogle寄り | VS Code系の拡張エコシステムが豊富 |
既存のVS Code拡張やキーバインドをそのまま活かしたいならCursorが移行しやすく、Googleアカウント中心で新しくエージェント運用を始めるならAntigravityがまとまっています。
開発フェーズ別の使い分け(設計・実装・レビュー)
実務では「どちらか一方」ではなく、フェーズで使い分けると噛み合います。筆者が制作の現場で目安にしている割り当ては次のとおりです。
要件整理・設計
→ Antigravity(丸ごと計画を出させてレビュー)
実装・こまめな修正
→ Cursor(補完で速く手を動かす)
UI微調整・部分書き換え
→ Cursor(選択範囲を日本語で指示)
まとめて生成・並行タスク
→ Antigravity(複数エージェントで一気に)
最終レビュー・動作確認
→ Antigravity(ブラウザ連携で確認まで)
仕様と完了条件がはっきりしたタスクはAntigravityに丸投げしやすく、判断を挟みながら直す修正はCursorのほうが操作感が合います。両方を契約して工程で切り替える運用も、費用対効果が見合うなら現実的な選択です。
サイト制作・自社ツール開発でどちらを選ぶか
ここからは、制作会社の実務でどちらを主軸にするかを、具体的な判断で紹介します。テーマは筆者の実務にあたる「①サイト制作・LP制作」と「②効率化のための自社ツール開発」の2つです。
①LP・サイト制作での選び方
1枚もののLPや小規模サイトを短時間で形にするなら、まずAntigravityに「入力フォームと一覧がある1ページを作って。HTMLとCSSだけ、外部ライブラリなし」と丸ごと指示し、出てきた成果物をレビューする進め方が速いです。そこから先の細かい表示崩れの調整やコピーの差し替えは、Cursorで該当箇所を選択して「この見出しだけ余白を詰めて」と部分指示するほうが速く仕上がります。「たたき台はAntigravity、仕上げはCursor」という分担が、制作では噛み合います。
②自社ツール開発での選び方
社内の定型作業を自動化するツールを作るなら、仕様が固まっている処理はAntigravityにまとめて生成させ、既存のコードベースに少しずつ手を入れる保守はCursorが向きます。たとえば「フォルダ内のCSVを集計してSlackに通知するスクリプトを作って」という新規はAntigravityで骨組みを出し、その後の項目追加や例外処理の修正はCursorで差分を見ながら詰めます。新規のまとめ生成と、既存コードの継続修正で担当を分けるのが勘所です。
AntigravityとCursorのタイプ別の選び方
最後に、どちらを主軸にすべきかをタイプ別に整理します。迷ったら、無料で試せるAntigravityから触り、握りたい場面が増えたらCursorを足す順番が無駄がありません。両者は排他ではないため、片方に決めきれない場合は「主軸を決めて、もう一方を補助に回す」考え方が実務では扱いやすいです。
Antigravityを主軸にすべき人
費用をかけずに始めたい人、タスクを丸ごとAIに任せたい人、Googleアカウント中心で使いたい人にはAntigravityが向きます。仕様と完了条件がはっきりした作業をまとめて生成させ、レビューで仕上げるスタイルが合う人ほど効果が出ます。とくに、非エンジニアが日本語の指示だけで1つの成果物を形にしたい場面では、エージェント主体の設計が扱いやすいです。回復待ちの時間を段取りに織り込めるなら、無料の範囲でも十分に実装力を引き出せます。
Cursorを主軸にすべき人
コードを自分で握りながら速度を上げたい人、上限に当たっても従量で作業を止めたくない人、VS Code系の拡張やキーバインドを活かしたい人にはCursorが向きます。既存のプロジェクトに継続して手を入れる開発や、細部の判断を挟みながら直す修正で操作感が合います。締め切りが立て込む時期に「上限で止まると困る」比重が高いチームも、従量で伸ばせるCursorのほうが計画を立てやすいです。
この仕様差から、同じ指示でもアウトプットの出方が変わると想定されます。Antigravityは計画から成果物まで一気に返しやすく、Cursorは意図した細部を保ったまま少しずつ積み上げやすい、という違いが出ると考えられます。どちらが上というより、任せ方の相性で選ぶのが実際的です。
よくある質問
AntigravityとCursorはどちらが安いですか?
始めるだけなら基本無料のAntigravityが安く済みます。ただしAntigravityは上限に当たると回復待ちになり、日本では追加購入で枠を増やせません。上限を気にせず使い続けたい場合は、従量課金で継続できるCursorのProプランが読みやすい費用です。
Antigravityの並列エージェントはCursorより優れていますか?
かつては並列実行がAntigravityの明確な強みでしたが、2026年4月のCursor 3でAgents Windowが加わり、Cursorでも複数エージェントを並行運用できます。並列実行だけで優劣は決まらず、任せ方の発想(丸ごと委ねるか、握りながら使うか)で選ぶのが実際的です。
両方を併用する意味はありますか?
あります。設計とまとめ生成をAntigravity、実装と細かい修正をCursorに割り当てると、それぞれの強みを活かせます。費用対効果が見合うチームなら、工程で切り替える併用が有効です。
CursorはAntigravityのように動作確認までしてくれますか?
Antigravityはブラウザ連携で表示や動作の確認までエージェントが行える設計です。Cursorも拡張や指示で確認作業を任せられますが、標準の発想は開発者がエディタ内で制御する形です。確認まで丸ごと任せたい比重が高いならAntigravityが向きます。
初心者はどちらから始めるべきですか?
プログラミングに不慣れなら、日本語で丸ごと指示できて無料で試せるAntigravityから始めると手応えをつかみやすいです。コードを読み書きする力がつき、細部を自分で握りたくなったらCursorを足す流れが無理がありません。
まとめ:AntigravityとCursorは「任せ方」で選ぶ
AntigravityとCursorの比較は、機能の多寡よりも「AIにどこまで任せるか」で決まります。タスクを丸ごと委ねて無料から始めたいならAntigravity、コードを握りながら上限に縛られず使いたいならCursorが向きます。上限に当たった後の扱い(Antigravityは回復待ち・日本は追加購入不可、Cursorは従量で継続)は、締め切りのある実務ほど大きく響く差です。まずは無料のAntigravityで1ページ作ってみて、握りたい場面が増えたらCursorのProを試す——この順番が失敗しにくい進め方です。Antigravity側の詳細は制限の解説記事と 使い方の記事でまとめています。CursorでのOpenAIモデル提供が2026年11月12日で終了する件はCursorでOpenAIモデルが11月12日終了|理由と乗り換え先で解説しています。